第2章 出会い
【虹村修造】
正直、俺は川嶋の魅力は容姿と人柄程度だと思い込んでいた。
しかしどうだ?
右手の中指のささくれ…こんなんは俺でさえ意識したりしなかったりするようなもんで、プレーに影響出てるなんてことは微塵にも思わなかった…。
…すげぇな、アイツ…
もっと話してみてぇ
もっとアイツを知りたい
もっと…近くで……彼女に触れたい
―――厄介なことに、気持ちは深まる一方だ。
【赤司征十郎】
彼女の能力がチームにとって役に立つことは知っていた。
エレナがチームを補佐をするという、俺の考えていたことが現実になった。
きっと…いや間違いなく彼女はこのチームを強くする。
だが、何だこの胸の辺りがモヤモヤとする感じ…
ひどく気分が悪い。
…それに部員たちの彼女に向ける好奇の目も気に食わない。
エレナは俺のモノだ―――
今日の練習の後、エレナの家に行くか?
行って心だけでなく、体も全て俺のモノだと教えるか
…いや、やめておこう。
今の俺では歯止めが効きそうにない…
彼女を”愛すこと”は…もう少し後だ……。