第2章 出会い
____監督からの突然のお願い
私の答えは決まっていた。
「はいっ私でよろしければお力にならせてください!」
監督の目を見て伝えると、監督は目を細め微笑んだ。
監督「……ありがとう。次の休憩の時、下に降りておいで?……私は先に降りて、コーチと虹村達にこの事を伝えに行ってくるよ。………では。」
立ち去る監督の後ろ姿を見つめながら、私ははやる胸を抑え、目を閉じた。
深呼吸を1つ。
___大丈夫。やれるわ?
目を開き、私は再び選手たちの練習に視線を向ける。
見つめる先の選手たちの様々な動き、特徴、パフォーマンスなどを目に焼き付けていった。
虹村「おーし!終わったやつから一旦休憩ー!」
時間が過ぎるのも忘れるくらい集中していた私は、休憩を伝える虹村の声にハッとした。
いけない!…降りないと……!
急いで1階に降りると、私に気づいた赤司がこちらへ歩いてきた。
赤司「… エレナ。監督から話は聞いたよ。……これから、よろしくな?」
赤司の優しい笑顔に緊張が解けていくのを感じた。
「征くん……!うん、私、チームの皆のために頑張るね!」
私は目一杯の笑顔を彼に向けると、一緒に選手たちのもとへと向かった。