第2章 出会い
【宮地清志】
ずっと心臓が騒がしく音をたてている。
自分でも知らない感覚に俺は戸惑っていた。
目の前にいる彼女は容姿だけでなく声も仕草も全てが
綺麗で、俺は目が離せずにいた。
笑った顔は最高に可愛くて、触れたくなるのを必死で抑える。
何なんだ……俺、どうかしたのか?
「ふふっ大丈夫ですよ?欲しくて買ったものなので、頑張ります。__っあ!もぅこんな時間!…私、行きますね?………本当にありがとうございましたっ」
木村「そっか!…って、え?もういっちゃうの?!……えと、気を付けてね?」
宮地「……おう。」
俺たちに向かい笑顔を見せた後、ペコリと頭を下げ彼女は足早に去っていった。
俺はその後ろ姿を見つめてしまう。
木村「はぁ~すげー可愛かったな…///っああ!!大事なこと忘れてた~~~~!!!」
隣の木村が大声を出したので、俺はあからさまに嫌そうな態度をとる。
宮地「うっせーぞ!木村っ!何なんだよ!轢くぞ。」
木村「だってよぉ~!あんな超絶美人二度と会えないかもなのに、名前も連絡先も聞いてないなんて………終わった……」チーン
宮地「何だ……んなことかよ。ったく……ここで俺らが連絡先聞いたらさっきの奴等と変わんねぇだろーが!」
木村「そぉだけどよ~~~逃がした魚がでかすぎた~~!!」
騒ぐ木村の姿に俺はため息を漏らす。
でも、こいつの言うことも一利ある………
名前、聞いときゃよかったな……。
気まぐれに助けただけの女なのに、何でこんなに胸が苦しくなるんだ?
もう一度、会いたい。
会って、このわかんねーもんの原因が知りたい。
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この日から気がつくと俺は、好きなアイドルのことではなく彼女のことが頭に浮かぶようになっていた。