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【黒子のバスケ】君を見つけた

第3章 夏が始まる


「鉄っちゃんっ!」



勢いよく彼の胸へと飛び込むと、木吉は大きな身体で包み込んでくれて、久々に感じる彼の匂いに私は擽ったいような気持ちを抱く。
木吉は私の肩の辺りに顔をうずめながら、ん~、と小さく声を漏らしていた。



「…どうしたの?」



木吉「いや…やっぱりエレナは、甘い匂いがするなって思ってた。うん…そう、これだ。」



一人納得する木吉が可笑しく思え私はクスクスと笑い、彼の背中を擦っていると、彼の大きな手が私の頭を優しくなでてくれる。
その感触はとても気持ちよく、私を安心させた。
目を瞑り感触を楽しんでいると、今度は逆に木吉がクスクスと笑った。



木吉「ははっ…相変わらず頭撫でられんの好きなんだな?…本当、猫みたいだなっお前は。」



「だって鉄っちゃんの手、気持ち良いんだもん。なんか、元気出る感じするんだよね。…でも、私は猫じゃないよ、気まぐれじゃないしね?」



そう言い悪戯に見上げると、木吉は一瞬目を見開くと、ははっと優しい笑顔を見せた。



木吉「そうだな!むしろ、犬かっ!よーしよしよし!!」



「なっ!?ちょっやめっ鉄平!!」



犬を撫でまわすように、私の頭をわしゃわしゃと撫でまわされ、私は必死に抵抗するも木吉の力に勝てるはずもなく呆気なく抑え込まれてしまう。
当の本人は至極楽しそうにやっており、そんな二人のやりとりを見つめていた木吉の仲間は呆然と立ち尽くしていた。



木吉のチームメイトである鈴木、高山、水野の三人は、今、美人と戯れている木吉に対して羨望と嫉妬の思いを抱いていた。そして、言わずとも辿り着いた唯一の答え。



鈴木/高山/水野(((とにかく引き剥がす!…そんで後でとりあえずシメる!!)))



固い意志により生まれた考えは、瞬時に実行され、べりっと音がする勢いで木吉の身体は彼女から離されてしまう。
そのまま再度抱きついて行かぬ様、二人がかりで押さえ込むと抗議している木吉を無視したまま、その場を去るべく出口へ歩を向けた。



木吉「なっオイっちょ!!離してくださいっ!!待っ!エレナ~っ!!!」

鈴木「はいはいはいはい~!いきなりこいつがごめんねぇ~!」

高山「こんなアホは俺らが後できつくシメとくからねぇ」

水野「暴れないで下さい!先輩、往生際が悪い男はモテませんよ?」


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