第2章 懐妊 三成
次の日、5時頃に起きた夫…三成はまだ隣でぐっすりと寝ているの代わりに朝食や空気の入れ替えをしてやろうとベッドから抜け出した。
「…燃えるゴミか」
収集日表を確認してゴミをまとめる。
そのついでに朝ごはんの材料でも買ってこようと財布と一緒にまとめたゴミ袋を持って家を出る。
「…なんだ、これは」
ゴミ袋を収集場に投げ捨てるとゴロ、と転がった袋の中に見慣れないものがあるのに気が付いた。
よく見えないと誰もいないことを確認して三成はゴミ袋を破ってソレを確認した。
するとソレは妊娠検査薬だということにすぐに気が付き、反応があったことを確認した。
「の、なのか?」
何度も瞬きをして、目をこすって、それを凝視する。だがその結果は変わらず、妊娠していることを示す赤いラインは変わらずあった。
「チッ」
小さく舌打ちをして検査薬片手に家に飛び込んだ。
まだ寝室で寝ているを叩き起こし、の頭が覚醒するのを待ってリビングへ引きずり出した。
「飲め」
「あ、うん」
珍しくホットミルクを作ってくれてそれをの目の前に置く。心なしかイライラしているように見えては少しひるむ。
「な、なんかしたかな私…」
「自覚がないとは言わせん。私に何を隠している」
隠し事は認めない、と三成はを睨み付ける。
そこではハッとした。リビングのゴミ箱が空っぽな事に。まさかゴミ捨てを代わりにしていってくれて、その時に検査薬を見つけてしまったのではないかと。