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BSR短編集

第12章 頑張り屋 幸村



「初めまして、1年D組の です。」

「同じく真田幸村です、よろしくお願いいたします」

堅苦しい挨拶もほどほどに、雑談会のようなものが行われた。
このような集まりは初めてだったので、も幸村も目を丸くしてざわめき始めた先輩を見まわす。

「真田君って言ったよねっ初めまして、2年B組の羽崎由奈、よろしくね!!」

「あっ、ちょ、何してんの、2年A組の西村千佳子っていうの!」

幸村は先輩に熱烈なる猛アピールを受け、戸惑っていた。なんせ女子には慣れてないので、合図地を打って誤魔化すしかないのだ。

「殿、あの、仕事を」

「あー、いいよいいよ、私やっとくから」

「殿ってなに?!可愛いーッ!」

最初に配布されるプリントには中学生までにやっていた委員会活動や部活動、事細かに記すプロフィールのようなものを埋めなければならなかった。
この委員会室に来る前までに幸村とはいくらか中学生の時を話していたので、幸村のプリントにも代わりにかいてやろうという考えだった。

「ちょっ、あ、あのっ」

「気にしないでー」

どうにかこうにか逃れようとするもがひらりとかわしてしまう。先輩はそれをいいことにどんどん幸村に詰め寄ってしまう。
もう逃げ場がないとわかった幸村は堪忍したのか先輩方の話し相手となった。
避難したはそれを見て大変そうだな、と思いながら自分のプリントと幸村のプリントを少しずつ埋めていく。

「…確かサッカー部とか言ってたなぁ」

出身校や部活、誕生日、色々な事を思い出しながら埋めていくと、ほとんどうまってしまった。先程の会話でどれだけ彼の事を知れたのかというのは目に見えて分かる。




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