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BSR短編集

第12章 頑張り屋 幸村




「さん、引き受けてくれてありがとう」

「いやいや、私に務まるかわかりませんが~」

は新学期、学級委員を引き受けることになった。
高校一年生の春、一つのイベントと化しているこの委員会決め。保健委員や図書委員、美会員などはさっさと決まるのに必ずと言っていいほど最後に残るのは学級委員だ。
これは中学校でもよくあることではないだろうか。
最初から学級委員というものは、クラスをまとめ、面倒な仕事もこなさねばならないという固定観念が強くやりたがるものはほとんどいない。なのでこういった委員会決めでは最後に残るのは当たり前なのだろう。
そんな学級委員をは快く引き受けた。

「さん、ほんっと有難う!」

「えー?気にしなくたっていいよ!」

面倒な委員会故に引き受けるとお礼を言われるのもあるあるなのではないだろうか。

「ねぇ、学級委員やったことあるの?」

「まぁ中学生の時もね」

「そうなんだ!じゃあ適任ってやつだね!」

そう、中学生の時も同じような流れで3年間やらされてしまった。別に嫌なわけではなかった。自分が嫌な思いをするのには慣れている、そういう人間なのだ。

「早速で悪いんだけど、学級委員の2人は放課後に顔合わせがあるから向かってくれる?」

「はい」

「わかりました」

学級委員だけではないが、男女1人ずついるのはきっとお決まりなんだろう。
女子の学級委員は、男子の学級委員は幸村だった。彼もまた、人が嫌そうな顔を見るのは得意ではない方で、自分から進んでこの役を引き受けた一人だった。





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