第2章 懐妊 三成
「そ、そんな事より、旦那には連絡したのか?」
「し……してない!!!」
「馬鹿かッ!!」
冷静になってよく考えて見るとはまだ肝心の夫に連絡をしていなかった。
撮影して、かすがに報告して、一緒に涙を流しただけでとても満足していたのだった。
「今すぐにしろ!」
「で、でもまだ仕事中だし」
「何を遠慮しているんだ!仕事中だろうがなんだろうが関係ないだろ?!」
「デ、デモサーモウスグカエッテクルヨー」
「片言だぞ」
今すぐにでも連絡はしたかったが、確信はないのが事実だった。もしかしたらこれは誤った結果かもしれないし、病院で確証を得てから夫には報告するつもりだった。
変に期待をさせて違ったら落ち込むのはだけではない、夫もだ。
それに夫は妊娠を望んでいたのだろうかと不安に思っていた。
それをかすがに話せば呆れたように言った。
「だったら今からでもいい、病院に行って知らべてもらえばいいだろ?」
「…でも、なんか怖いんだよね」
「妊娠していたら喜ぶだろ、堕ろせなんて言う旦那なのか?」
違う、と首を横に振る。
そうだ、夫はそんな人じゃない、きっと喜んでくれるはず。かすがにそう言われてなんとか心を持ち直したが、やはり不安は消えなかった。
「ほんとに大丈夫かな…言うのよそうかな…」
「…ハァ、私はもう帰る。絶対今日中に言うんだぞ」
かすがはの頭を優しく撫でての家から出て行った。
一人になってしまったは小さくため息をついた。