第10章 お腹が痛い 慶次
「…へ、返事はいまじゃなくていいからさ、な?」
「いや、何て言うかその…わかんないの」
「な、なにが?」
「好きっていう、そのー…気持ち?」
疑問形になってしまい、は俯く。
「別に恋したことがないって訳じゃないけど…前田君をおもうこの気持ちが恋なのかって言うのは、ちょっとわかんない」
「…そっか」
慶次は残念そうに苦笑いを零す。
続けては言葉を発する。
「でも、少なからず嫌いじゃないよ、寧ろ好き」
「じゃ、じゃあ」
「…うん、よろしくお願いします」
そう言うと、慶次はぱあっと零れんばかりの笑顔を咲かせ、に抱き付いた。
「ちょっ、く、苦しいッ」
「ほんっと有難う!」
後からが聞いた話によれば、保健室に来たのは友達である長曾我部元親からのススメだったらしい。
慶次は前からが好きだったらしく、それを元親に話すと、これは絶好のチャンスじゃねぇかと叫んでの鞄を持たせ保健室にまで引きずり込んできたとか。
「…へ、へぇ、そうだったんだ」
「元親ッ話すなよ!」
「いいじゃねぇかよ、なぁっ」
「や、あ、あはは…」
翌日屋上では元親、慶次、の三人で昼食をとることになった。
元親は二人きりでと進めたらしいが慶次が恥ずかしいと断ったらしい。
「慶次もまだまだってことか」
「うっせぇなぁッ!」
END…?