第9章 暇人の休日 佐助
「あ、風強くなってきたね」
「マジか」
雨戸に何かがたたきつけられるような音がした。
きっと風が強く吹き付けているのだろう。
「ほら、出なくてよかったじゃん?」
「で、でも風好きだし」
「飛ばされたらどうするのさ」
「そのまま飛んどく」
「はいはい」
ダルそうに会話をしながら床に寝っ転がる。
は休日、外に出ることがなければ一日中パジャマだ。佐助はちゃんと起きたら着替えるが、はどうも目的がなければ着替えられないような人間だった。
「そろそろ着替えちゃいなよ、もうお昼だよ?」
「やだぁ、どうせずっと家にいるんだからさ」
「ぐうたら女」
「るっさい猿。」
「あ、そういう事いうんだ。自分も猿のくせして」
当たり前な事を返されて少し動揺する。その様子を見て勝ち誇ったような得意げな笑みを零す佐助。
「わっ悪そうなお顔っ」
「はいはいはい、そのわるそーなお猿さんが着替えろって言ってますよ~」
佐助はの着替えが入っているクローゼットから家でぐうたらできる緩めのTシャツと短パンを持ってきた。
「え、足出したくない」
「我儘だなぁ、でも俺様は出してほしい」
「…仕方ない、出してやろう」
自分で取りに行くのがめんどくさいだけなので、仕方がなくその着替えを受け取ってTVを見ながら着替えをしだす。