第4章 破廉恥武将 幸村
そして城下、有名な着物店に入れば祝福の声と共に白無垢が用意されていました。
寸法が分かっているわけでもないのに、試着してみればそれは私の体にぴったりで心底驚きました。
「何故…?」
「の体だ。何度腕を回したと思っておる」
誇らしげにそうも恥ずかしい事を言い放つ幸村様に私は既に尊敬の気持ちさえ抱いておるのはもうお察しなのでしょうか。
その横顔はとても凛々しいのですよ。
「ふふ…そうでしたね、申し訳ありません」
「あ、謝ることではないぞ!」
突然ころっと表情をお変えになって…本当にお気持ちがすぐにその端正なお顔に現れてしまうのですね。
そういう純粋なところも愛らしゅうございます。
「そうだ、この後茶屋へ行き、佐助の為にも団子を包んでもらおう」
「畏まりました。」
やはり幸村様は御一人で外出なさることも多いようなのです。
そのたびに佐助様がため息を御つきになっているのには気が付かれているのでしょうか?わかっているうえでやっておられるのならば、相当性格が…お、おほんっ。
「あれ?本日はここなのですか?」
「あぁ、ここは大福が旨いのだ!も勿論、食うだろう?」
「はいっ」
幸村様はご自分で購入されていました。
私がお金を、とも思ったのですが手で静止されてしまい、一歩を踏むことができませんでした。
「有難うございます」
「いつもが買ってきてくれるではないか」
「さ、佐助様が中心となっております」
「いや、それでも態々有難うな」
礼を言われ、嬉しさのあまり声が出ませんでしたので、横に顔を振らせていただきました。
幸村様から、お礼を…!!