第3章 ついてくる 佐助 ★
「おはよ!」
「ん、おはよ、大丈夫?」
「もう無敵」
朝は佐助が迎えにきてくれる。佐助は凄い心配性で、朝練の時も一緒に来て!と言ってくる。
それは流石に起きれないって断ってたけど、なんだか朝も怖いような気がして、これからは一緒に行くことにした。
それが朝練今日一日目。
「こんな早く行ってるんだ…」
「まぁね、最初はきつかったなぁ…旦那が早く来いとか言ってもっと早い時間に起こされてたんだぜ?」
「えっ真田君暑苦しい」
「だよねー」
雑談をして歩く早朝の空気はとっても新鮮だった。
少し蒸し暑い季節だってのにいまの時間だけは冷たく感じた。
「朝練とか高校までだと思ってた」
「ちゃん陸部だっけ?つらそー」
「走って学校まで行ってたからあっという間だったけどねー」
私は高校まで6年間陸部に人生を捧げてきた。
でも最後の大会のハードルの時に大けがをしてそれからは恐怖も伴って走ることから遠ざかってた。
今でもちょいちょいあるランニングの時間ではぶっちぎりで一位だけど佐助にはかなわない。なんていったって副キャプテンを任されてる人なんだから。
「佐助ってさ、いつからサッカーやってるの?」
「あれ?話さなかったっけ、小さいころからだよ。旦那に付き合わされてね」
「わー…ちっさい頃の2人ってどんなんだったの?」
「そりゃあ俺様は昔からかっこよかったよ?」
「あそ」
いつも自分を持ち上げてる佐助だけど、反論ができない。
確かにかっこいいのは間違いじゃないからね、でもムカつくから殆どスルー。
「…う、うん、旦那はね、可愛い男の子だったよ」
「あーなんとなく想像つくかも」
げらげら笑いながら最寄り駅について、私たちは大学へ向かうために電車に乗った。