第15章 浮いた気持ち 佐助
「…もう半年になるんだよ?我慢なんてしなくても」
「してるのは、佐助くんじゃないかな」
そうだよ、私となんて付き合って、何が楽しいんだかさっぱりわからない。だって手をつなぐだけでも心臓が張り裂けそうなのに、それ以上の事なんてできない。だからきっとつまらないんだ。無理させてるんだ。
「今日こそ、話てきな」
悠奈にそう言われて、私は勇気を振り絞って佐助くんに何週間ぶりかのメールをおくった。
もう、声も聞けてない。
「久しぶりだね、佐助くん」
「そだね」
素っ気ない、とっても、素っ気ない。目も見てくれない。
「はなしたいことがあるんだ」
恍けた顔なんてして、分かってるくせに。
こうなっても私から言わせようとするなんて、なんて意地悪な人なんだろう。
「無理させて、ごめんなさい」
「俺様、無理なんてしてないけど」
「ううん、させてる」
どうしてそんなこと言うのって、顔を、してる。私だって佐助くんにききたいよ。
なんで浮気なんてしたの?私じゃ満足できないなら早く振ってほしいよ、なんで付き合ってるの?なんで声も聞けないの?なんでメールかえしてくれないの?って。
でも、そんな事きいても何の解決にもならないから。佐助くんの足を引っ張らないように私が身を引くしか道は残ってないから。
だから私は、涙をこらえながら言う。
「別れよう」
って。