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BSR短編集

第15章 浮いた気持ち 佐助



彼氏である佐助くんの浮気疑惑…ううん、浮気現場を目撃したのは付き合ってから1ヶ月くらいのこと。
高校生の私達には部活とか、放課後に居残りをしなければならない用事とかあってそんなに遊ぶ頻度は高くなかった。それはね、しょうがない事だと思ってるの。
初めての交際ってのもあるし、多くを望まないで、恋愛経験豊富な佐助くんにゆだねてみようって思った。
だから、最初見た時は当たり前の光景なのかなって思った。

「佐助、くん…?」

悠奈と、もう一人の女友達とウィンドウショッピングに出かけて、ショッピングモールから出て来た時の事だった。
広場でタピオカジュースを飲んでたら、佐助くんが私の知らない女の人と手を繋いで歩いているのを見かけてしまった。
もしかしたら、お姉さんなのかもしれない。妹さんなのかもしれない。最初はそう思って疑わなかったし、まさか佐助くんに非があるとは思えなかった。
でもその場に居合わせた悠奈も見ていたらしくて、私の方を心配そうに見てきたときはもしかしてっておもった。
あぁ、これが浮気なのかなって。

「…、今のって」

「気のせいだよ、似てる人だよ」

そう、似てる人なんてこの世に何人といるんだから、間違えたりしても可笑しくないんだ。しかもほぼ一瞬だったし、別人なのかもしれない。

「…そ、だね」

悠奈もなんだか疑ってたみたいだけど、私が気のせいじゃない?って言えば、そうだよね、と返してきてくれた。だから私も気のせいなんだなって思った。
だからまさか、次の日も同じような光景を見るなんて思わなかった。


「…あれ、」

「?」

「ね、あのさ悠奈、あの人って」

「……!」

思いのほか悲しい思いはしなかったけど、なんだか気持ちが悪くなってきてしまった。
私の知らない女の人、とってもきれいで身長も高くて、白い肌によく映えるお化粧。その横には優しくはにかんでる私の彼氏。なんだか、異様な光景。

「…い、いこ、」

悠奈は私の腕を引っ張ってくれた。
だから私も、一緒になって急いで家に帰った。



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