第7章 さよなら。
しばらくすると、
凄まじい足音とともに火神が現れた。
「鈴音!!!!!!」
「ちょ、ここ病院なんだから静かにしてよー!」
私はケラケラと笑う。
火神は嬉しそうに私に駆け寄ると、
お母さんが目の前にいるのにも関わらず
私を抱きしめた。
「鈴音!!!会いたかった!!!」
「か、火神ぃー。苦しいよぉー。」
私も嬉しくて抱きしめ返す。
お母さんはニヤニヤとしながら
病室から出て行く。
「鈴音、俺、優勝したんだ!WCで!キセキの世代のやつらに勝ったんだ!!!」
火神は嬉しそう言った。
「うん。おめでとう。」
私は優しく火神の背中をさする。
「俺、お前にどうしても伝えたい事があったんだ。」
そういうと、
火神は私を離して、
私の目を見つめた。
私もじっと火神の顔を見つめた。
火神はすぅっと深呼吸をして、
私の手を握って口を開いた…。