第7章 さよなら。
WCという大きな大会が始まった。
TVでも放送されるぐらい大きな大会だった。
私はTV越しに火神を見ていた。
一目だけ会いたくなって、
私はわがままを言って、
一日だけ外出許可をもらって、
お母さんとミナトと3人で
火神の試合を見に行った。
たくさんの人が見ているなかで
火神はバスケをしていた。
堂々としていて、
凛々しくて、かっこよくて…
火神はやっぱり輝いていた。
動いてる火神を見れただけで
私は幸せだった。
試合が終わり、
私たちが帰ろうとしたときだった。
ミナトが私の袖を引っ張った。
「ん~?なに?」
私はゆっくりと振り返ると
そこには火神と黒子くんが居た。
「…あ。」
思わず固まる。
「…鈴音。先行ってるね。」
お母さんとミナトはそう言って先に歩いて行った。
気まずさから
何も言えずに私も火神も固まっていた。
そこで黒子くんが口を開いた。
「ほら、火神くん。何か伝えたい事があるんでしょ?」
黒子くんに促されるも
火神は気まずそうに目をそらした。