第6章 雲にかくれた月。
「うわぁ!?ご、ごめん!火神!シーツに血が!!」
私は慌てて立ち上がる。
が、再び下腹部がズンと痛む。
「これぐらい洗えばいいから心配すんな。…その…悪かった///」
火神は思いっきり真っ赤になり
私から目を逸らす。
私は慌ててそこにあったジャージを羽織る。
「…ご、ごめん。」
私は恥ずかしくなり、
うつむく。
「いや…その…初めて…だったんだな///」
火神はそういうと
私を後ろから抱きしめた。
「…うん。」
「お前が…妙に積極的だったから…はじめてじゃないのかと思ってた。」
火神は更にぎゅっと私を抱きしめた。
「…。」
「なんか…嬉しいよ。…好きだ。鈴音」
その火神の言葉に
何故だか目から涙がこぼれた。
「鈴音…?」
火神が心配そうに私を見つめる。
「ねぇ、火神。私ね…火神とは付き合えない。」
私のその言葉に
火神はポカンとした。
胸がぎゅっと締め付けられた。
発作じゃなくて
別の何かだった。
涙が止まらなくて、
辛くて辛くてたまらなかった。
でも。
ここではっきりさせなければ
今の私以上に
火神は辛い思いをする。
私は涙をぬぐうと
すぅっと深呼吸をした。