第6章 雲にかくれた月。
「ねぇ!火神!」
私は意を決して火神の方へ近づく。
「あ?なんだよ?」
「筋肉!触りたい!」
私が目を輝かせてそういうと、
火神は少し顔を赤くした。
「…か、勝手にしろ!」
そう言って、私から顔を逸らした。
私はゆっくりと火神の腹筋に触れてみる。
「…うわぁ!!!!すごい!すごい!洗濯板みたい!」
私は思わず感動してしまった。
「…おう。」
火神はじっと動かずに
私に体を触られる。
「…あのさ、めちゃくちゃくすぐったいんだけど…。」
が、火神は不満そうに私を見た。
「あ!ご、ごめん!」
私はすぐに手を離した。
「…///」
火神は顔を赤くしたまま
私にデコピンをした。
「…うぅー。痛いよぉー。」
「うるせっ!」
丁度、洗濯を終えたという合図の音が
鳴った。
火神は立ち上がり
お風呂場の方へ歩いて行った。
私はそんな後姿をじっと
見つめて居た。
しばらくすると、
お風呂場の方からバタバタと音がした。
それから、火神が顔を真っ赤にしながら
こっちに戻ってきた。