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水玉DAYS☆黒子のバスケ

第5章 夕立の悪戯。


「あ、あのさ!鈴音!」

火神は私に背を向けたまま
話しかける。

「ん~?何?」

「…その…はっきり聞きたいことがあるんだ。」

振り返って私を見つめる火神の目は
本気だった。

…なんとなくわかっていた。
私が避けてきた話題。

恐らく病気の事。

真実を話すべきか…
私は未だに悩んでいた。

「…何?」

私は静かに笑う。

「…お前は何の病気なんだ?」
火神は悲しそうな顔でそう聞いた。

やっぱり嘘はつけない気がした。
私は静かに口を開いた。

「ごめんね、火神…私ね…」

そう言いかけた時だった。

ポツリと冷たい雫が頭に落ちてきた。
それと同時にアスファルトが
ポツポツと水玉模様に変わる。

"ザー"

みるみるアスファルトは濡れて真っ黒に染まる。

「うわぁ!?夕立か!?お、おい!雨宿りするぞ!」

そういうと、火神は私の手を握り、
公園の屋根の下へと逃げ込む。

雨の勢いはみるみる増していく。

「うわぁー…ひどくなったねぇ。」
私は呆然と空を見つめる。

「あぁ…本当だな。」
火神も同様に呆然と見つめる。

しばらく待ったが
雨が止む気配はない。

「…おい、気合入れろ。俺の家まで戻るぞ。」

「…へ!?」

「ここに居てもどうしようもねぇーだろ。」

そんな事言われたって、
こんな雨の中飛び出したら…

…でも、本当に止みそうにないな。

ずっとここに居ても
蚊に噛まれるし、ちょっと濡れて寒いし…。

「わかった。」

私がそういうと、
火神は私の手を握って

走り始めた。


が、


外に飛び出たその瞬間。

私は盛大にコケた。


「…うぅ。」


「っば!お前何やってんだよ!」

火神はコケた私をお姫様抱っこすると
走り始めた。

…なんだか、
青春の1ページっぽい!

とかテンション上がってしまったのは
火神には内緒。







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