第4章 空を彩る花。
でも、
それはもう無理だった。
「…はぁ…か、火が…み。…ご、ごめん…。」
私は火神の手を放すと、
フラフラと人気のないほうへ走りだす。
「あ?お、おい!?」
走るっていっても、
私の足は遅いし、火神はすぐに追いついてきた。
私はその場に倒れこんだ。
「おい!?鈴音!?鈴音!!」
火神はすぐに私を起こす。
激痛で、
既に意識は薄れ掛けていた。
私は必死で病院の電話番号が書かれたカードを
火神に差し出す。
「…こ、ここに電話すればいいのか!?」
私は火神の問いに頷いた。
それを最後に…
私の意識は途絶えた。
最後の最後に聞こえた。
花火の上がる音。
…あぁ。
火神と一緒に花火…見たかったな?
神様はなんて意地悪なんだろう。
私…
死んじゃうのかな?
…
…
…
死にたくないな。