第4章 空を彩る花。
「あの、おっさんさ。俺達のこと夫婦と思ったのかな?」
火神は真顔でそう言った。
「…へ?」
思わずポカーンとしてしまう。
「いや、だって嫁とか旦那とかさ…。」
火神はイカ焼きをモグモグとしながら
真面目な顔をしていた。
「…いや、多分ただからかっただけだよ。」
私はそんな真面目な顔で考える
火神が可愛くてケラケラと笑ってしまった。
「っば!笑うな!…ちょっと嬉しかったんだよ。」
火神は困ったようにそう言った。
「嬉しかった?」
「おう。///」
そんな火神が可愛かったので
私は思わず、火神の腕にしがみついた。
「へへー!私も嬉しいっ!」
「…ほら、そんなはしゃぐとまたコケるぞ。」
火神は私の頭を優しく撫でた。
そして、私たちはたくさん屋台を堪能した。
後はもうすぐある、
花火を楽しみにするだけだった。
でも、
神様はいじわるで…
私の心臓を締め付けはじめた。
もう
感覚でわかる。
あぁ。
これはやばいやつだって…。
…火神の前で倒れたくないな。
心配かけたくないな…。
鈍い痛みから
既に回らない頭で一生懸命考える。