第3章 紫陽花の憂鬱。
「はい!どうもっス!愛の伝道師黄瀬涼太っスよー☆今日は恋愛相談乗っちゃうからよろしくっスー!」
私の目の前には
黒子くんと、モデルの黄瀬くんが居る。
どうやら黒子くんの友達とは
黄瀬くんのことだったようだ。
目の前に芸能人が居るという事で
普段の私ならテンションMAXのはずだったのだが…
私はチラっと横を見る。
「ねぇ、黒子くん。恋愛相談はしたいんだけどさ…」
「なんで火神も居るのー!?」
「なんで鈴音が居るんだよ!?」
私と火神は同時にそう言った。
そう。
今、私の隣には火神がいる。
今日の恋愛相談には何故か火神も来ていた。
これじゃ、火神の事相談できないじゃーん。
「いいじゃないっスか!火神っちも鈴音ちゃんも恋愛の事で悩んでるって聞いたからまとめて聞くっスよ!」
そう言って黄瀬くんはシャラっと爽やかに笑った。
「そういう事です。ほら、さっさとはじめてください。」
黒子くんは面倒くさそうな顔をして
バニラシェイクをすすっていた。
「んな事言ったって…こいつの前じゃ…」
火神はモゴモゴと何か言った。
「ん?なんスか?火神っち!ほら、この愛の伝道師に相談を…」
「だぁぁぁぁ!!!わかったよ!」
火神はそういうと、
気合を入れるように深呼吸をした。
「好きな奴の前で意識しちまって普通通りじゃいられねぇ!どうしたらいいんだ?」
火神くんは不機嫌そうにそう言った。
火神に好きな人…。
それって…
誰!?
え!?
なんかすっごいショックなんだけど…。
私は一人また頭を抱えた。