第3章 紫陽花の憂鬱。
「私も恋とか愛とか…よくわからないけど、恋愛マニュアル読んでもきっとわからない事だらけだと思う。体験しないとわかんないんじゃないかな?」
私がそういうと、
火神は大きく溜息をついた。
「…そうかもしんねぇーけど…下手な事して…お前に嫌われたくねぇーよ。」
火神は顔をうつむけた。
「…へ!?///」
「…っばか!わかれよっ!この鈍感女っ!」
火神は恋する乙女のように
顔を真っ赤にして、
その場から走り去って行った。
なんだか、
胸がドキドキした。
これは多分病気のせいじゃなくて、
別の何かだと思う。
それからお互いに意識してしまっているからか
なんだかギクシャクした関係が続いた。
その様子を
ミナトはいつもニヤニヤと笑いながら見ていて
決して助けてはくれなかった。
火神と話したい。
火神に触れたい。
私は必死で何か打開策はないかと
空っぽの脳みそをフル回転させた。
頭が煮えそうなぐらい考えても
私の頭ではその打開策は見つけきれなかった。
魂が飛び出そうなぐらい
私は大きく溜息をついた。