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水玉DAYS☆黒子のバスケ

第3章 紫陽花の憂鬱。


下駄箱に行き、
靴を履き替え、傘立てに向かう。

…あれ?

私の水玉の傘がない…。
たしかに傘立てにさしたのに…。

私はワタワタと傘を捜すが、
見つからない。

誰か間違えて持って帰っちゃったかな!?

時間は刻々と過ぎていく。
…仕方ない。
私はそのまま飛び出す事にした。

意を決して
外に出ようとしたところで腕を掴まれた。

「バカ!何で傘ささねぇんだよ!」
火神だった。

「傘が見つからなくて…誰か間違えちゃったのかな?」
私はヘラっと笑った。

「時間やべぇーぞ。それでも行くのか?」
火神は時計を指差す。

「そうだねー。ないと死んじゃうからっ!」

私は冗談のようにそう言う。
でも、それは本当のことだった。

「…はぁ。ほら、乗れ!」
火神はしゃがんだ。

「…は?」
意味がわからなかった。

「お前が走るより、俺が走った方が速いだろ!?おぶってやるから乗れ!」

火神は顔を真っ赤にしてそう言った。

多分、
火神はバカなんだと思う。

私をおぶって雨の中走ると言っているのだ。

「いや、いいよ。普通に傘貸してよ。」

私がそういうと、
火神は更に顔を真っ赤にした。

「う、うるせぇ!今更引けねぇよ!さっさと乗れ!!!!」

…本当にバカだった。
私は思わず笑ってしまった。

でも、私は火神の背中に乗り、火神の傘をさした。

「うっしゃ!行くぜぇ!つかまってろよ!」

火神は私をおぶると走りはじめた。




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