第2章 キャラメル。
「へ?」
私が火神の方を見ると、
火神は申し訳なさそうにしていた。
「おい、なんかよくわかんねぇけど、俺がおごるよ。お礼だ。ほら、購買行くぞ。」
「へ!?いや、いいよ!も、申し訳ないしっ!」
私は思わずワタワタとしてしまった。
「うるせぇ!いいから来いっ!」
火神は私の腕を引いて歩きはじめた。
「わぁー!か、火神!?」
私が連れて行かれるなか、
黒子くんとミナトはニヤニヤしながら見送っていた。
購買に行くまでの間、
火神と少し話した。
昨日は"キセキの世代"という中の一人の
強い選手の居るチームと対戦していたらしく、
それで疲れていてずっと寝ていたらしい。
決して具合悪いわけではなかったらしい。
…よかったと安心してしまった自分がいた。
購買につくと、
購買は何故か大量の人が居た。
「へ!?何コレ!?」
私は思わず目を丸くした。
「あ!しまった!今日は幻のパンの発売日じゃねぇか!」
火神は絶望したような顔をした。
「幻のパン?」
「そう。毎月27日だけ数量限定で売られるなんか、すっげぇー下品なパン。あいつら絶対わかってたな。」
火神は大きく溜息をついた。
「げ、下品!?…まぁ、いいや。私、普通のパンでいいから買って来るね!」
「待て、この状態じゃ普通のパンすら買えねぇ!俺が行く。これ持ってろ!」
火神は上着を脱いで私に渡すと、
気合を入れ始めた。