第2章 キャラメル。
味は大丈夫かな?
お腹壊さないかな?
私はじっと火神を見ていた。
火神はとてつもないスピードでお弁当を平らげた。
「ふぅー。美味かったぁ!鈴音!ありがとな!」
火神はそういってニコっと笑った。
「あ…変な味とかしなかった?お腹痛くない?大丈夫?」
私は一気に不安が押し寄せ、
火神の方に駆け寄る。
火神は私のオデコにデコピンをした。
「はぅ。痛い…。」
「バカ。美味かったって言ったじゃねぇか。お腹も痛くねぇよ!」
そう言って火神は私の頭を撫でた。
「…よかった。」
私は思わず、胸をなでおろした。
「ってか!鈴音!これめっちゃ美味しいじゃん!あんた料理の才能あるよー!」
「本当ですね。めちゃくちゃ美味しいです。」
後ろからミナトと黒子くんの声がした。
私が振り返ると、
二人が私の作ってきたお弁当を食べていた。
「っな!私のお弁当ー!!!」
私が戻ると、お弁当はすっかり空になっていた。
「あまりの美味しさで全部食べてしまいました。すいません。」
黒子くんはニヤニヤと笑っていた。
「ごめんねー?ほら、500円あげるから、火神と購買に行って、パンでも買ってきなよ!」
ミナトも同様にニヤニヤと笑っていた。
「へ!?い、いいよ!一人で行って来る!てか、自分のお金持っていくし!」
私がそう言ってお財布を持つと、
火神に腕をつかまれた。