第2章 キャラメル。
まるでボールが生きているみたいに
自由自在に動き回る。
すごい。
これがバスケットボールなんだ。
私は感激しながらその様子を眺めていると、
後ろから声を掛けられた。
「あれ?もしかして入部希望者?」
振り返ると、
ショートカットのボーイッシュな女の子が立っていた。
「いえ!見学です!」
私がそういうと、
彼女は私をじっと見つめた。
「服の上からだけど…全く筋肉ないわね。なんかずっと入院とかしてた?」
その言葉に思わず驚く。
「え!?何でわかるんですか!?」
「んー。筋肉のつき方が必要最低限って感じだからかしら…。バスケ好きなの?」
彼女はニコっと笑いながら私を見た。
「いえ!今日はじめて見ました。」
私がそういうと、
彼女は笑った。
「そう。面白いでしょ!バスケ!」
「はい!」
「おいで。もっと近くで見せてあげる。」
そういうと彼女は私の手を引いて
コートの中へ歩きはじめた。