第2章 キャラメル。
「あ、鈴音。」
私が鼻歌を歌いながら帰る準備をしていると、
火神が話しかけてきた。
「~♪~♪…ん?何?」
私は手を止めて火神を見る。
「お前さ、部活とかすんの?」
「んー…したいけど…まだ決めてない。火神は?」
「あ?俺はバスケ部だよ。あのさ…えっと…」
火神はもじもじと下を見る。
「…?」
「バスケのマネージャーとか…してみねぇ?」
火神はそう言った。
何故だろう?
しばらく私は考えた。
…あ。
一人でバスケ部の仮入部行くのが寂しいのか。
そうかそうか。
男のくせに情けない!
でも、まぁ、
しょうがない!一緒に行ってやるか!
私は頭の中で勝手にそう解釈すると、
火神の方を再び見た。
「うん!見学だけなら行ってみる!」
「おう。」
火神はニコっと笑った。
そして、私は
火神と共に体育館へと向かった。
体育館では既に上級生が練習をしているようだった。
私は制服のまま、
体育館の端でじっとソレを眺めていた。