第8章 水玉DAYS
あの日、あいつは静かに眠ると、
そのまま二度と目を覚まさなかった。
でも、その寝顔は幸せそうで
なんだか、悲しい以上に
安心したのを覚えてる。
俺は墓石の前に
キャラメルと花を供えると、
線香をあげて、両手を合わせる。
ふっと懐かしい思い出が蘇る。
初めてあいつに出会った時、
あいつはキラキラ目を輝かせながら
俺に質問を投げかけてきた。
あんなキラキラした目の奴を見たのは久々で、
ガキみてぇにコロコロと変わる表情に
心が和んだのをよく覚えている。
握手をした瞬間、
嬉しそうに笑ったあいつの顔が
今でも忘れられない。
きっとあの時から俺は
あいつの事が好きだったんだと思う。