第6章 ◎ バイト
素直に伝えるが怖い。
本当の事を伝えて、また離れて行くんじゃ無いか と思うと怖くて伝えれない。
離れて行かれない為には自分の意思とは
真逆の事を伝えるしか私には出来ない。
だから、素っ気ない。冷たい。
そんな事を言われる。
『サエは相変わらず嘘が下手だし、甘えるのも下手だな〜^^ 』
学校では上手く演じてるつもりなのにな。
理玖や海斗の前では下手になる。
「海斗が凄いだけかな」
『馬鹿な俺でも気付けるのに、皆が気付けないのは俺より馬鹿って事かな?笑』
「私の演技力じゃない?笑」
『そんな演技力要らないんですけど?笑』
確かに。
そんな演技力は要らない。
「まぁね(笑)」
何でも伝えれる素直な子が1番だ。
か弱くて無邪気で笑顔で…そんな女の子が1番良いんだろうな。
『演技してても、してなくてもサエはサエだから良いけどさ。』
「ありがとう、、」
『どういたしまして♪ サエ、そろそろ寝ないとな??おやすみ。』
海斗は私が眠るまで頭を撫でてくれる。
「うん、おやすみzz」
頭を撫でられると落ち着いて寝れる。
兄貴達、それから弟。
そして理玖と海斗。
頭を撫でられて、落ち着くのは
この5人だけだったのにな。