ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第9章 花風*
離れようとすると、リンがしがみつくように抱きしめてくる。
(可愛いが…これじゃ生殺しじゃねぇか……っ)
ローは己の煩悩と戦いながら自分にしがみついてくる愛おしい存在をしっかり抱きしめる。
「リン……さっきの続き、いいか?」
「続き…あ、忘れてた。いいよ」
キスの続きだとだけ思っているであろうリンはにこりと笑顔で言った。
もうローは止まれと言われても止まれない状況に陥っている。リンの笑顔をこの状態で見せられたらたまったものじゃない。
ローは噛みつくようなキスをする。
何時もより激しいキスに、リンは我慢できずに声を漏らす。
「ふっ…ん、っ」
自分の声を聞いて恥ずかしくなったのか、声を抑えるようになるがその分息が荒くなる。それが余計にローを煽る。
「っはぁ…本当にお前は」
「はぁっ、はぁっ」
慣れないキスに頰を紅潮させ目に溜まった涙が扇情的だった。
「ロー、続きって…」
「やっとわかったか」
リンだってそれくらいのことは知っている。
というかかつて野蛮な海賊に捕まった時に見せられてきたのだ。お前もいずれこうなるんだということを分からせるために。当時嫌悪感しか沸かなかったのに、今はむしろ欲している。まだ知らない熱を。
ローはリンのパジャマのボタンに手をかける。
すると、リンは下着を着けていなかった。
(やっぱりか…)
ローは薄々気付いていた。寝るときはブラをしていないという事を。なぜ気付けたかというと、一緒に寝ているとそういう事故が起こりやすいからだ。←
その話はまた後ほどするとする。
パジャマの前を開くと、白い肌が現れる。
あまり大きくはないが、綺麗な双丘に手を這わせ、やわやわと揉む。その度にローの手に反応してピクピクと体を震わせるリン。
存在を主張し始めている突起を口に含めば、リンの体は大きく震えた。
「っ…やっ…」
「おれに、舐められるの…嫌か?」
「いや、じゃないけど…っ」
顔を手で隠すリンの手を解き、顔を見る。
眉は悩ましげに寄せられ、目からは涙が溢れそうになっている。
ローは苦笑した。こんなのを見せられて我慢できるはずがない。リンは困ったように笑ったローに一層胸がきゅんと締め付けられた。