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ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話

第9章 花風*


「で、お前が下になれ」

「え、なんで」

「なんでじゃねぇ。おれと読者がどんだけお預けくらってると思ってんだ」

「ロー、読者ってなんだ」

「…なんか変なこと口走ったが気にすんな。ほら!」

リンはこてんと形勢逆転される。

「ロー?」

「さて…やっとお前を食える」

ローがリンに唇を近づけた時だった。

「せんちょーリンーごは…ん…」


シャチがノックをしてドアを開けたが滑らかにドアを閉めて出て行った。


「…」

「私も腹減った。ご飯食べにいこう、ロー」

リンの上で完全に意気消沈しているローの頭を撫でてやれば、顔を上げた。


「…ん」

若干納得してなさそうだが渋々とベッドから降りて立ち上がるローに自分がとんでも無いことを言ったとも知らずにこにこと「えらいえらい」と完全にローを幼児扱いしているリンであった。


一方シャチは、食堂のテーブルの上に突っ伏していた。
事情を聞いたペンギンがシャチの背中をさすりながら、
「パーツは完璧に元どおりにしてやるから安心しろ」とフォローになっていない言葉をかけていた。


ペンギンの隣で、ベポがどうしたの?と聞くので、「船長の食事中に邪魔してしまった」とペンギンが説明すると、 ベポは自分なりの解釈をした。


ベポの脳内を表してみよう。

船長の食事中に邪魔してしまった

キャプテンはご飯中

でもキャプテンの部屋には本とか薬とかリンしかいない

リン食べてたの⁈


「え⁈キャプテンリン食べてたの⁈」

間が悪いことに、ちょうどリンとローが入ってきたところだった。

「…シャチ、後で来い」

「ウィッス」

理解できていないリンは、ベポに人は共食いしないよ、と教えていた。

そして楽しい夕食の時間がはじまるのだった。

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