ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第7章 悪風
「海軍に見つかった。ここが見つかるのも時間の問題だ。だがログはあと1日待たなきゃいけねぇ。次の行き先は決まってる。」
「ふむ」
そこでローは考える素振りを見せ、数秒後、スッと顔を上げた。なにやらスッキリしたような表情だった。
「お前を先に次の島へ行かせようとも考えたが、やめた」
「…は」
「海軍に見つかっても、お前は守る」
「…選べって、選ぶ選択肢今消え去ったし」
ローは仰向けになっているベポのお腹に寄りかかって座っているリンの隣に座る。
「要するに、何も心配すんなってことだ。次はおれがトト○役やってやる、ほら来い、メ○」
ぽんぽんと自分のお腹に来いと合図する。
「…そんなトト○いねぇし……」
「襲うぞ」
「やめて、危ないから、トト○がメ○襲うとか危なすぎるから」
「じゃあ来い」
「なんだよそれ…ベポ、なんか言ってやって…よ…おい」
ベポはいつの間にか夢の中に入っていた。鼻から見事な風船を膨らませて。
「早く来い」
「ひっ」
耳元で囁かれ、ビクッと肩を震わす。
その反応が気に入ったのか、悪質なイタズラに変わっていく。
「早く来いっつってんだろ…」
「わっ…首をなめるな‼︎」
「じゃあ来い」
「断るって…っ‼︎耳噛むな‼︎」
「だから早く来い」
根負けしたリンは、渋々ローに跨り胸元に顔をうずめる。
「…ベポのお腹もいいんだけどこっちはこれで…」
「お前おれのここ、好きだろ…?」
「誤解を招くような感じで言うなアホロー」
くすくすと笑ってリンの背中に手を回し、片方は頭を撫でているロー。
自分に懐いている猫を可愛がるように。
リンは悔しながらもその安心感を堪能していた。
「にゃあとか言ってもいいんだぜ」
「言うかバカロー」