ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第7章 悪風
(やばいっ、戻らないと)
リンは瞬時に船に戻り、何事もなかったように取り繕った。
部屋にベポが来て、もう自由に行動していいよってキャプテンが言ってた、と報告していった。
リンは迂闊に行動してはならないと考えていた。
今までは一人だった為、見つかればすぐ逃げればいいし、攻撃を仕掛けてくるなら潰せばよかった。
しかし、今は仲間がいる。その仲間の大切な旅を壊したくない。
「…今日はベポと遊ぼ」
こうしてベポの部屋に向かった。
「リン、どうしたの?」
「…遊びに来た」
「待ってて、これ描いたら遊ぼ」
ベポがなにやら書いているので覗き込むと、海図だった。
「…ベポは本当にいいクマね」
「え!ほんと?ほんと?」
「うん」
声は低いが(ベポは声めっちゃ低いです。予想外の低さです。アニメでご確認ください)その可愛らしさにがばっと抱きついた。
一方、ローは部屋で珍しく悩んでいた。
リンの事だった。
海軍に見つかった以上、きっとこの船を探しているだろう。しかしログが溜まるのにあと1日待たねばならない。
だがリンの安全を考えれば、この島をすぐに出たほうがいい。
ローは椅子から立ち上がり、リンの部屋に行ったが、部屋の主はいなかった。
どこに行ったんだと甲板に出ると、ベポと呑気にじゃれあっているリンの姿があった。
仰向けになっているベポのお腹にリンが乗っかっている。これぞまさにトト○とメ○の図であった。
しかも…
「名前はなんていうの?」
「ベーポー」
「ベポ?!あなたベポなのね!!」
とトト○ごっこをしていた。
ローは、悩んでいたことが急にどうでもよくなった。
「おい」
「あ、ロー」
「キャプテン」
バッとこっちを向いた1人と1匹(?)。
「俺も混ぜろ」
「?!」
リンは怪奇現象を見たかのような顔をした。
「ローが…壊れたか」
「壊れてねぇ」
「キャプテンはサツ○役ー?」
「俺はサツ○とメ○の父おy…やらねぇよ」
呑まれかけたローだがギリギリのラインで我を取り戻した。
「話がある。リン、お前はどうしたいか選べ」
「?」
ベポのお腹から退き、ベポに寄りかかって座る。