ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第7章 悪風
しかし暇だった為、ペンギンの部屋に行った。
「ペンギン、ログはどれくらいで溜まるの」
「あぁリン、ログは3日で溜まるぞ」
3日というのを聞いて、はぁと安堵の息をつく。
「よかった、そんなに長くないんだね」
「まぁな…だがいつ見つかるかもわからねぇ。用心しとけよ」
「うん。わかった」
リンは部屋に戻り、ベッドに座って本を開いた。
先ほど買ってきた本だ。
パラパラとめくっていくと、愛という単語が出てきた。
「む…」
そこを読んでいくと、愛は恋よりももっと濃密なものだということが書かれていた。
「…あーもーわかんない…というかこんなの見るなんて柄じゃないか」
煮詰まった頭を空っぽにするように、本を読み終わった本たちのタワーの上に置いた。
そして、仰向けに寝転がる。
思い浮かぶのはここ最近の楽しいことばかり。
一人の時は、明日をどう過ごそうか、次の島はどれくらいで行けるだろうかなど、そんなことばかりだったのに、過去のことを振り返る今がある。
明日なんて寝ればくる。
ベポが起こしに来て朝ごはんを食べてー…
「全部、あの時ローが拾ってくれたおかげなのか」
ローが何故か私に目をつけていたこと、そこから私の人生は変わったんだ。
暗い曲調から明るいアップテンポの曲調に変わるように。
曇り空が晴れ渡るように。
「…私は、ローが…好き?」
自分に問いかけるが答えはわからない。
でも、わかることはある。
「離れたくない」
これが、リンが今出せる答えだった。