ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第3章 光風
「島が見えた。あと少し上陸だ。準備しとけよ」
ペンギンが報告に来た。
「ひゃっほーーい!!島だ‼︎なぁリン‼︎」
「シャチ…そんなに土が好きなのか」
「ちげぇよ💧女や酒やあとその他もろもろだ!」
正直なシャチに感心しながらも、冷たい視線を送る。
「(遠い目)」
「そんな目しないでくれよ」
すっかり仲間とも打ち解けてこのシャチのように話すことができる。
「そうか、皆男だもんね。よし、船番は任せなさい」
「え!いいのか⁈」
「勿論。久々の島でしょ?楽しんで来て」
「リン‼︎ありがとう‼︎」
「どういたしまして」
ふふ、と笑ったリンはまるでお母さんと呼びたいオーラに包まれていた、とシャチは思っていた。
「リン、いいのかお前」
「あ、ペンギン。私はどっちかって言うと昼間でかけたい」
「わかった。船長に言っておく」
「ありがとう!」
ペンギンは、ふ、と笑ってリンの頭を撫でる。
「んほわっ」
「なんだその気の抜けるような声は」
はは、と笑いながらペンギンが言う。
「撫でられるのとか慣れてないから…なんか心がくすぐったい」
「そうか。それは嬉しいと言う意味でとっていいのか?」
「おそらく」
にこりと笑うと、ペンギンも笑った。
目は見えないけど、柔らかい笑顔だった。