ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第3章 光風
「リンすごかったな〜‼︎」
昼に、ベポがはしゃぎながらリンを褒める。
「怪我させたから…」
その言葉に、全員がポカンとする。
「お前、変なやつだよな。強いけど」
シャチがぽつりと言うと、クルー達が殆ど賛成した。
「あぁ。変な奴だ」
「え、酷い」
「変で強くて優しい奴だ」
「…!」
皆にっこりとしている。
この感情をきっと嬉しいと言うのだろう。リンはそう確信した。
だってこんなにも笑顔になってしまうんだ。
「…お前笑った顔かわいいな」
ペンギンが真顔で言う。
「…は?」
「可愛かった…」
「俺も思った…」
同時に照れるということも覚えた。
夜は宴だった。どうやら祝勝の宴。
リンはコックの作る料理を運ぶ手伝いをしていた。
「リン、ひと段落終わったからゆっくりしていいよ!」
「でも…」
コックはそんなリンの背中を押した。
「今日はリンの手柄でもあるんだ。ほら」
「うん…!」
甲板に向かうと、早速酔ったクルーが声をかけてきた。
「リン飲んでるか⁈」
こいつは初日からこうやってきたシャチだ。どうやらこれは最早癖の様だ。
「いやだからそんなに飲めない」
「のめのめ〜!」
「飲めないっていってるでしょ‼︎」
ドゴスとチョップが炸裂する。
「シャチの奴いい気味だ」
他のクルーが笑う中、リンはというと
「わっちょいきなり何」
フードを掴まれてズルズルと引きずられていた。
「お前も座って飲め」
「なんで…て酒臭っ」
ご機嫌がいいのかローはニイッと笑いながら話している。
「…なぜローの隣…」
「席がここしかねぇ」
「いや他あるし…でもここがいい」
「…!」
予想外な言葉にローは驚く。