ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第17章 繋風
「何とも…!!ただ生まれもった体がある事を…こんなにも嬉しく思った事はない!!!」
侍の体が元に戻り、予想外の身長にリンはポケーっと侍を眺めていた。
(でかいなぁ………)
キンエモンという名前だという侍はこれまでの非礼をサンジに詫びていた。
(でかいのが、中身は男とはいえ女性に土下座…すごい絵面だ…)
そんなことをぼーっと思ってみていると、ブルックが口を開いた。
「取り込み中何なんですがサンジさん、どうやら絶体絶命の大ピンチです。
とうとう逃げ場が無くなりました」
周りにはスライムと、毒に染まった湖。
「おォい!!!お前ら…コレ何とかしとけっつったよな!!?」
「何ともならねェんだからしょうがねェだろ」
「そうなんですよ」
ゾロとブルックが鼻をほじりながら呑気に答える
「甘っタレんな!!バカ共!!」
「ごめんねナミさ…サンジ。近づけないようにするのも面倒くさくなってもう飛んで逃げればいいかなって」
「リンちゃん…!よくやってくれた!!ありがとな!こんなバカ共と違ってまともな子だァ…!」
感激の涙を流され、サンジの日々の苦労を薄々と感じていた。
「燃やしてみるというのはどうでござろうか」
リンはキンエモンの剣は敵を焼き斬る剣と聞いて、少しワクワクした。
「せあ!!!」
スライムを斬ると確かに発火し…さらに爆発した。
「……??あれ?」
爆発に飲まれたと思ったのに、スライムは消え辺りは燃えているが無事だった。
「爆炎を斬ったまででござる…!!」
キンエモンの言葉に、リンは武者震いのような感覚を覚えた。
(新世界にはこんなとんでもない奴がいるのか…!)
気分が高揚するような気持ちに少し戸惑いつつも、これから待ち受けている戦闘に胸の高鳴りを抑えることは出来なかった。
研究所に向かうことになり、キンエモン、サンジ、ゾロ、ブルックの後を飛びながら着いて行った。
(ローもきっと強くなってるんだろうな…楽しみだ。私もこの力がどれだけのものになってるのか…楽しみだ…)