ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第17章 繋風
リンは施設内を回ってみた。
怪しげな装置やよくわからない薬品の数々。
(相当やばそうな雰囲気がする…海軍は何やってたんだ…)
施設内の風をほんの少し、さらりと新聞の見出しに視線を投げるような、その程度だけでも、ここで良くないことが起きているのは明瞭だった。
(気分が悪い…外にでも行ってみるか…)
外に出ると、なにやら騒がしい。
少し飛んで上空から眺めると、山のような何かが蠢いていた。
「なんだアレ………ん?」
遠くを見ていると、雪の白色の中に緑色とオレンジを発見した。リンはその緑とオレンジの方へと飛んでいった。
「よ!マリモ」
「マリモじゃねぇ斬るぞテメェ!」
「ヨホホ!リンさん!」
「リンちゃんじゃあねぇか」
ふわりとその場に着地する。
ふと、ナミの口調が違うのが気にかかった。
「…ナミ…さん…?」
「ヨホ!ナミさんには今サンジさんが入っているんです」
リンは首をかしげた。
「ローさんに変えられちゃったんですよ」
「へぇ~、面白い」
「で、何の用だ」
ゾロに話しかけられ、リンはゾロに向き直る。
「気分転換」
「はぁ?」
「まぁそれは置いといて、その変な人はなんだ、ローに斬られてるけど」
「「「変な人?」」」
3人の後ろの地面を指差す。その方向を3人が向く。
「おおォ!!?コレ侍じゃねェか!!!」
「なんだコイツ!!凍ってんぞ!!」
ゾロが氷を砕くと、それは動き出した。
「ンゴッ!!!ふガゴガッ!!!」
それ とサンジがやり取りをしている最中、リンはゾロにあれはなんだと聞いていた。
「侍?ワノ国の…へぇ」
「息子を探してるらしいぞ」
「へぇ…大変だなこんなとこまで…ワノ国って遠いんだろ?どこにあるか知らないけど」
「ヨホホホホ!リンさんは平凡ですね。バラードがお似合いですよ」
「そうかな…照れる」
そんな話をしていると、ギャーギャーと声が聞こえてきた。
「何だ?!」
「あれは我々が身包みをはいだ茶ひげさんの部下タウロスの方々!!」
何か言っているのでリンは風に運ばせて聞いてみると、湖の向こうに怪物が現れたと言うことだった。