ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第17章 繋風
「へぇー、パンクハザードかぁ。私も行きたい」
「おう、いいぞ」
麦わらの一味の現在の方針を聞き、便乗して言ってみると船長のルフィから快諾されたので、一緒にパンクハザードへ行くことになった。
「ミニメリーに6人はきついぞ」
ゾロが言うと、リンはケロッとした顔で言う。
「あ、大丈夫。飛んでくよ」
「おう、そうか」
「いや突っ込めよ!!!」
長鼻がツッコミを入れてきた。
「飛べるって能力、なんかかっこいいな!」
「正確には風を操るんだけどね。それよりあなたはトナカイ?タヌキ?」
「トナカイだッ!!!」
それから麦わらの一味のクルーたちの名前を覚え、パンクハザードへ出発した。
弁当を食べるクルーたちを面白そうに眺めながら飛ぶ。
島につくと、なにやら金網の壁があり、そこには、「世界政府」と海軍のマークが記された立ち入り禁止の看板があった。
もちろんそれを無視して一行は中に入った。
「ことごとく燃えてんな…!!」
「暑いね」
ゾロの言葉にナチュラルに返事をするまでになったリン。
ジトッとこちらを見てくるゾロにあははと笑ってみせる。
「私ちょっと色々空から見てみるね」
そういうと、「おう!」とルフィの返事。そしてロビンが手を振る。ウソップは「あいつ大丈夫かぁ?」と言っているのが小さく聞こえた。
一旦ふわりと上がれば、少しは暑さも和らいだ。
「とりあえず1周してみようかなー」
呑気にリンは空中散歩を始めた。
その頃、ルフィたちはドラゴンに襲われ、船に残ったクルーたちは睡眠ガスで眠らされていることも知らず。
「…あ!私気付いてしまった…」
リンは空で1人、左手の手のひらを上に向けて右の手で拳を作り左手の上にポンと乗せた。
「ここの島いつでもバーベキューできる…!」
少し経って、吹雪いている方の空へ来た。
すると見覚えのあるマークを描いた帆をつけた船が1隻。
「…海軍??」
リンは面白くなってその船に潜入してみた。
既にこの船に乗っていた上官は上陸しているらしい。船の中は閑散としていた。
「寒いから防寒着ほしいなぁ…物色しよう」
そんな訳で海軍の船を漁っていると、ぐわんと船が動いた。
「は!?」