ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第17章 繋風
麦わらの一味は、新世界の海に出て少し経った頃だった。
でんでん虫が奇妙な通信をキャッチし、聞こえてきた「パンクハザード」という場所へ向おうと決定した時だった。
「ん?」
麦わら帽子をかぶった船長が何かを感じ取り上を見ると。
「ちょっとおじゃましまーーーーす!!!!」
と、声がして、上を見上げるクルー達。
「なんか落ちてきたぞー?!!?」
「新世界こえーーーー!!!」
リンは、鼻の長い男と言葉を話すペットが騒いでいるのを面白そうに眺め、ふわっと風を起こしてクッション代わりにし、スタっと軽やかに甲板に着地した。
「いやー暑い…燃えてる海ってほんと…暑い」
少しは暑さが凌げるようになった船の上で汗を拭う。
「おめー誰だ?」
そう聞いてくる船長の周りでは、刀を構える緑頭にタバコに火をつける金髪。怯えながらも武器を構える長鼻とスタイルのいいオレンジ色の髪の女の子、構えるペット。そして冷静に立つ黒髪ロングのお姉さんと、骸骨。あとロボット。
「ルフィ、久しぶり」
「???」
リンは小さく笑うと、帽子のツバをクイッと上げる。
「頂上戦争以来だね」
「あ!お前あん時の!!」
「思い出してくれて良かった」
船長の言葉に、空気が緩む。
「おいルフィ、知り合いなのか」
「ゾロ、こいつはエースを助けるのに協力してくれたやつなんだ!」
「へぇ…」
そうは言っても、まだ警戒心を残す緑頭と金髪タバコに向かって丁寧に挨拶をした。
「私の名前はリン。一応賞金首」
そう言ったあと、クルッと黒髪ロングのお姉さんの方に体を向けた。
「ロビンさん、久しぶり!」
「リン、久しぶりね」
ニコリと笑うロビン。
「え?!ロビンも知り合いなの?!」
オレンジ色の髪の女の子が驚いて聞く。
「ええ」
「ロビンさんには色々お世話になったんですよ」
「ヨホホホ!初めましてリンさん…ワタクシ死んで骨だけブルックと申します。ところでパンツ見せてもらってもよろしいですか」
「え、私あなたのパンツの方が気になる。骨だけどパンツとか履いてるの?いや骨だから必要ないかな…気になる」
「…ワタシ、パンツ履いてますよ…」
「へぇー!!!骨なのに!!!」
若干メンタルがやられたブルックであった。