ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第15章 暁風
「…そうだね、そうだ」
「あいつらに返事してやらなくていいのか?」
「する。ちゃんとする」
そばに置いてあった樽の上に立ち、大きく息を吸い込んだ。
「まず初めに!!!あの出来事が起きる前にまた行くねって言っといて行かなくてごめん!!!ぶっちゃけ忘れてた!!!」
「「「「「Σええええええええ?!!!!」」」」」
「それからいい国になってなきゃ絶対に帰らないから!!!!あと姫様はやめろーーー!!!」
「「「「「Σええええええええええええ?!!!!!」」」」」
「そういうことだから!!!元気で!!!またね!!」
大きく手を振っているリンの顔はとても清々しい表情をしていた。
島が見えなくなっても甲板にいるリンのもとにたしぎがやってきた。
「スモーカーさん、本部への提出書類がやっと半分終わったそうです」
「はは、まさか仕事放り出してきてくれてたなんてね」
リンがそういうと、たしぎも笑った。
「もう後悔はしたくない、と、シャーネル島に行くと決めた時に言っていました。それだけ強い思いがあったからですね。本当にリンさんはすごい人だ」
「え?」
「リンさんは、なにか不思議な力を持ってるんだとおもいます」
「・・・・確かにフワフワの実の能力あるよ?」
「そうではなくて…人を惹きつけるなにか…私にもよくわかりませんが…」
リンは、たしぎの顔を覗き込んだ。
「それならたしぎちゃんもあると思うよ?かわいいし」
「なっ…!!」
「赤くなった。かわいい」
「もう!!リンさん!!からかわないでください!!」