ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第14章 業風
「正義なんて、そんなのなにが正しいのかなんて誰にもわからない。だから、私はある海兵の、自分の信念を貫き通す生き方が好きだ」
葉巻の煙と、力強くどこか優しい背中を思い出しながら話した。
「…そうですね、自分が思う正義を、貫き通します!!」
バッと敬礼をした拍子に、コビーの軍服のポケットから紙が落ちる。
「ん?何か落ちたけど」
「あ、これリンさんに見せようと思って。知ってます?最近、新しく七武海の一人になった海賊」
コビーが、落とした紙を拾いリンに渡した。
そこには、人相の悪い強気な笑みを浮かべている見慣れた顔があった。
「コビー、この手配書もらってもいい?」
「え?はい、いいですよ」
「ありがとう」
コビーは頭に疑問符を浮かべたような顔をしていた。
夜、蝋燭の明かりに照らしてコビーに貰った手配書を眺める。
「4億って…何してたんだか」
自然に頬が緩んでしまう。
「船長が七武海のハートのクルーとして恥のないように、もっと強くならなきゃ」
ローの手配書を綺麗に折り、テーブルの上にある帽子の下に置いて眠りについた。