第6章 故郷もいいけど
及川「とりあえずさ、何でに怒ったわけ?あの子は何も悪くない、そうだろ」
「…俺だって反省してる。つーか、何?告白?お前、ポジションは?」
及川「セッター」
「なるほどな。じゃあお前が俺に似てるっつーお調子者な先輩か」
及川「お調子者!?それ、ちゃんが言ってたの!?」
直接及川が例の先輩だとはの口から直接聞いたわけでもない。
だけど研磨が言ってた、セッターに良い先輩がいなかったとの情報を聞いて、俺はコイツだと結びつけた。
お調子者先輩、としての話は少し聞いてたが、口では嫌々いうものの本気で嫌ってはいないんだろうなとは思っていた。
それは実際会った今でもそうだし、コイツが俺の嫌いなタイプだとしても、そこを否定しようとは思わない。
だけど
「お前、モテそうだな」
及川「初対面のキミでも分かっちゃう?そうなんだよね、及川さん人気者で困るくらいなのさ!」
「そんな人気者の及川さんが、本気で1人だけの事を好きでいられるのか?」
及川は少し考える。もしこれで俺の納得いかない返事だったら、すぐにでも諦めろと伝えるだろう。
及川「確かに俺は彼女がいた時も、集まってくる女の子に対して彼女を優先した事は少ない。女の子は誰でも好きだし、女の子が悲しむ姿を見たくない。
もしと付き合えても、俺は同じ事をするのかもしれないね」
やっぱりな。こういうタイプの奴はクラスに1人はいる。だから分かる。良く言えば人気者、悪く言えば八方美人だ。
及川「でも」
「?」
及川「が嫌だと言えば俺は女の子全員と関わりを絶ってでも、との時間を守る。
それくらい、好きなつもりさ。
会えない時間が多くなった今でも、この気持ちは変わらない」
及川はクラスのうちの1人は違った。
(…なるほどね、カッコいいじゃねぇか)