第3章 それは友人とは言い難いもので
ー研磨ー
隣の女の子…さんだっけ。悪い人じゃないんだけど、きっと彼女は目立つ人だ。なるべく関わらないようにしよう。
そう決めたはずなのに。
先生「弧爪、。どちらでもいいから読んでみろ」
ほら、当たった。俺、やだな。読みたくない。全員の前で音読とか目立つし。さんがサボろうって言ったんだから、さんが読んでよね。
なんて思いながらチラリと隣を盗み見ると、その彼女はアタフタとしていた。
そして俺は自分でも考えられない行動に出た。
「〜〜〜。〜〜〜〜〜?〜〜。」
…やっぱやめておけば良かった。皆見てるし。
席に座ると隣からあり得ないくらいの視線を感じた。さんだ。ビクビクしながら彼女を盗み見ると、申し訳なさそうな表情をしていた。
「…こ、今度から一緒に練習しようね…」
『うん!一緒にやろうね!ごめんね弧爪君。ありがとう!』
さんはパアッと笑顔になった。俺が怒ってると思ったのかな。
だけど
さんの笑顔を見るのは嫌いじゃなかった。
(理由はまだ、分からない)