第6章 故郷もいいけど
しかし運動公園を出てからの道は分からないため、入れ違いにならないためにも俺は運動公園内で待つしかなかった。
まだ春の冷たさが残っている5月、ジャージを着て来て正解だった。
からザックリ聞いた話では、祖母の家まで少し遠いらしく、すぐには着かないだろうと考え、運動公園内を探索することにした。
今日俺たちがつかった体育館だけでなく、立派な陸上グラウンドや芝生が生えるサッカーグラウンドまである。東京のような密集した地域ではなかなか見られにくい、大きい施設だ。
ここは大会とか頻繁にあるらしく、中学生だったがマネージャーとして来てたのかと思うと、笑みが溢れてくるものの、俺の知らないの時間に変な嫉妬心を抱いたり。
とにかく会いてえ。
会ったら…そうだな、頭を撫でてやろう。
あいつ口では文句言うけど、すっげー嬉しそうな表情するもんな。
数分後には実現するであろう妄想を抱き、半周したところで聞きなれた声と別の男の声が聞こえた。
…?
なぜだか息を潜め、隠れるように盗み見れば、男に抱きしめられるの姿があった。
(鈍器で頭を殴られたような衝撃とかあるけど、それ以上に心が痛く、重かった)