第6章 故郷もいいけど
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ただいま朝の6時です。
クロ君はきちんと仕事をすれば外出してもいいって言ってくれていたけど、夕ご飯も抜けるとなると、ちょっとやそっとの事じゃ納得してくれないと思うから。
朝ごはんは宿側が準備してくれるから手伝えないけど。
朝早くユニフォームの洗濯とかすれば夕方にはもう1着洗濯も出来るしと思い、早起きしました。
スマートフォンを見ると昨日SNSを送った人達全員から返事が来ていた。
岩ちゃん先輩からは俺らも合宿中だ、と一言。
勇太郎からは夏休みは帰って来て遊びましょうとのお誘い。
国見ちゃんからは体調を心配する内容。
そして、
飛雄ちゃんからは会いたいです、と一言。
残念だけど今回は本当に会えそうにない。だからあたしは返信をせず、スタンプだけ送信しておいた。
『…よしっ、今日も頑張るぞ!』
洗濯物を干していると、続々と部員達が起きてきた。
夜久「はよー。つーか何でこんな朝早くから仕事してんの?」
『おはよーございます、夜久ちゃん先輩。あたし、真面目なマネージャーですから』
夜久「あっそ」
信じていない口調ながらも、夜久ちゃん先輩は皆と一緒に食堂へは行かず、洗濯籠の中からタオルを取り出した。
『ちょ、何してるんですか』
夜久「何って、2人でやった方が早いだろ?」
『夜久ちゃん先輩はプレイヤーだからこんな雑用までしなくていいの。待っててくれるならそこで座っててください』
夜久ちゃん先輩は面白そうにクスクスと笑いながら、近くの椅子に座った。
『…何が面白いんですか』
夜久「別に?がマネージャーで良かったなって思って」
『…褒めても何も出ないですよ』
夜久「ははっ、いらねぇし」
(早起きして良かった)