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いつの間にか非日常

第3章 それは友人とは言い難いもので



『隣だねー』

「えっ…あ、うん…」

『あたし、 。よろしくね』

「…弧爪 研磨」


どうやら弧爪君と言うらしいその男の子は、あたしと目を合わせるどころか、視点を1箇所にとどめておけないらしく、せわしなくキョロキョロと動かしていた。

その様子はまるで小動物そのもので、人と関わるのが苦手なのかななんて思った。

そして、それ以降弧爪君はゲーム機に目を落とし、ピコピコと操作していた。


ああ、これはもう関わるなって事ね。



弧爪君の心理を理解したあたしは、再び前の席の子とお喋りを再開した。



だけど隣の席というのはなかなか関わりが多いもので、特に英語の時間なんかは例文を読みあったりもする。今がまさにその時間だ。


『弧爪君、読み合いだって』

「う、うん…」

『…めんどくさいからやったフリでもいい?』

「えっ…」



実を言えば、あたしは英語が大嫌いだった。特に発音。何て書いてあるか分からないし、1年の頃なんて小学生でももっと上手く読めると先生にもクラスメイトにも笑われたものだ。だからなるべくなら恥ずかしい思いは回避したい。

それに、こんな面倒臭い作業なんて、真面目にやってる方が少ないだろう。



だけど弧爪君から返された返事は意外なものだった。
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