第3章 それは友人とは言い難いもので
『うっわ、知り合い1人もいないし…』
春、新しく張り出されたクラス分け名簿に、1年の頃同じクラスだった子は誰もいなかった。
もともと人数の多い学校だ、期待はしてなかったけどやっぱり落ち込む。
『…ま、去年も同じ環境からのスタートだったし、なるようになるか』
3日も経てば大抵仲良くなるもので、もう寂しい気持ちなんて無かった。だから今から行われる席替えにも、不安な気持ちなんて無くワクワクさえしている。
仲良い子と隣になれたらいいな。
なんてちょっとした願い事をしながらくじを引く。あ、ラッキー。窓際1番後ろだ。
ガタガタと机を移動し、隣に座る誰かを待つ。
だけどいくら待とうとその人物はやって来なかった。痺れを切らしたあたしは、前の席の子とお喋りを楽しんでいた。
すると隣からガタッと音が聞こえる。
ついに来たか。
そう思い隣を見ると、男の子にしては珍しく肩に着くくらい髪を伸ばした、金髪だけど随分と染めてないのかプリン状態が目立つ男の子だった。
(名前はまだ、知らない)