第6章 故郷もいいけど
ー黒尾ー
ちょっとキツく言い過ぎちまったかな。明らかにしょんぼりしてるし、の気持ちも分からなくもねえ。
ま、転校とかしたことない俺に分かることなんて、ちっぽけなものだろうけど。
夜久「クロ、お前これでいいのか?」
犬岡「さん、悲しそうっすよ」
「クロ」
「分かってるっつーの。…」
を呼ぶと無理に作った顔で振り向く。
そんな顔すんなよ。
って、俺が作らせちまったんだけどな。
「…だが、それはあくまでマネージャーの時だけだ。宿に戻れば自由時間だ、お前がどこに行こうが誰と会おうが、昔を懐かしもうが誰も止めない」
『っ!クロ君っ!』
「ただし、必ず出掛ける時は俺に言うように。あと、遠くへの外出は禁止な」
『うんっ!ありがとうクロ君っ!』
「っ!?」
それだけ嬉しかったのか、が俺に抱きついてきた。今まで研磨や夜久には抱きついていたが(正直羨ましかった)、俺は初めてだった。
女特有の柔らかさ、多分程よく肉がついてるは更に柔らかいんだと思う。
加えて特有の良い香り。
俺の顔が赤くなるには充分だった。
夜久「クロ、顔」
山本「あのクロさんが照れてる…!!」
海「パシャリ」
「クロ、良かったね」
「う、うるせえ!!!!っ海!写メ消せええええ!!!」
言うまでもなく直井コーチにうるさいと怒られた。
(研磨、夜久…お前らよくあれに耐えれるな)
(いや、俺らクロと違って変態じゃねえし)
(クロ、鼻の下伸びてたもんね)
(〜っ…忘れてくれ)
((無理))